4月7日(水)、体育館で平成22年度長崎南山中学校・高等学校入学式が行われ、中学校に35名、高等学校に265名の新入生を迎えました。
○校長式辞
今年は桜の開花が例年よりも早く、花びらが舞う中での入学式となりました。中学35名、高校265名の新入生の皆さん、そして保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。これからの3年ないし6年間、共に力を合わせて、この南山の学び舎で楽しく有意義な学校生活を過ごしていきましょう。
どこの中学、どこの高校に進学するにしても、最初はいろいろと心配事があるだろうと思います。特に南山は男子校で、先生方も圧倒的に男の先生が多いです。新入生の皆さんは周りを見回すと、改めて、自分は男子校に入学したのだという実感が湧いてくるのではないでしょうか。これまで小学校や中学校で男女共学の雰囲気に慣れ親しんできた皆さんにとっては、戸惑いが大きいかもしれません。
けれども皆さんは、昨日一足早く学校に集まってオリエンテーションを受けています。先生方や先輩たちの話を聞いて、心配事がある中にも、何とかやっていけそうだという見通しがついたのではないでしょうか。皆同じような思いで南山に入学してきているわけですから、友だちはすぐに見つかります。勉学にしてもスポーツにしても、男ばかりの世界で伸び伸びとやっていける楽しさがすぐにわかります。長崎県内では数少なくなってしまった男子校で3年ないし6年間学べるということは、皆さんの人生の中でかけがえのない体験になっていくはずです。
南山は1952年に創立された学校ですから、皆さんが中学、高校の最高学年になる2012年には、創立60周年を迎えます。南山の歴史の大きな節目に立ち会うことのできる幸せをかみしめてほしいと思います。
すでに皆さんのお手元に配布されている「入学のしおり」の最初のページにも書かせていただきましたが、南山は創立当初から、カトリックの司祭を目指す神学生を育てるという使命を背負っています。これまでの50数年間に100名を超える卒業生が、司祭として、あるいは司教として、日本の国内外の教会や学校で活躍しています。また、神学生たちと机を並べて勉強した皆さんの先輩たちの多くが、南山卒業後は、各方面で良きリーダーとして活躍されています。
この50数年間南山は、神学生を育てるということをベースに、一般の生徒たちにも社会の良きリーダーとして働くことができるように教育活動を積み重ねてきたのだということを忘れないでほしいと思います。それは、最近の大学進学の実績、クラブ活動や生徒会活動の底力、体育祭に代表される学校行事の盛り上がりによく表れているのではないでしょうか。
「人間の尊厳のために」を教育目標に掲げる南山という学校は、一人一人を大切にし、勉学にもスポーツにも、何事にも一生懸命頑張る学校です。頑張れば頑張るだけ手応えがあり充実感を得ることができる学校です。3年ないしは6年後、高校を卒業する時、自分はどうありたいのかということをしっかり考えながら、皆さんがこの南山で充実した日々を過ごしてくれることを願ってやみません。
私自身もそうでしたが、中学・高校時代は、若い力で頑張りが利く時期だし、勉学もスポーツも頑張り次第で力が飛躍的に伸びていく時期です。この南山で自分の夢の実現に向けて新たな気持ちで頑張りたいと思っている皆さんにはチャンス到来です。勉学においてもスポーツにおいても、皆さんがこのチャンスを充分に生かすことができるように、先生方は皆さんにとことん付き合っていきます。
時には大変なこともあるかもしれません。しかし、それは南山だから特別に大変だということではないはずです。どこの中学、高校に進むにせよ、自分の夢を実現するために、困難を避けて通ることはできません。辛い時はみんな一緒です。皆さんのお父さんやお母さん方、そして南山の先生方も、みんな同じように苦労を積み重ねながら大人になったのです。人生の先輩として教科指導のプロとして、南山の先生方は、皆さんが困難に負けることのないようにしっかりサポートしていきます。どうぞ安心してついてきてください。
保護者の皆様におかれましては、数ある学校の中から南山をご子息の進学先に選んでいただき、心から感謝申し上げます。只今お話してきましたように、これからの3年ないし6年間、この南山で、私ども教職員は心をこめて大切なご子息のお世話をさせていただきます。どうぞご子息が充実した学校生活を送ることができるように、保護者の皆様からのご支援をよろしくお願い申し上げます。生徒も教職員も保護者もみんなが心から「南山大好き!」と言えるような学校になるように、私も学校を預かる者として一生懸命頑張っていくことをお約束いたします。
最後になりましたが、今日この入学式に集まった私たち一人一人の上に神様からの恵みと祝福が豊かに注がれるよう心から祈り、学校長の式辞とさせていただきます。
平成22年4月7日
長崎南山中学校・高等学校
校長 松本 勝男
桜花爛漫の今日の良き日に、新入生の皆さんを、この長崎南山学園に迎えることができ、私たちは大変うれしく思っています。
今日から、皆さんの中学生として、また高校生としての新しい生活が始まります。
一人ひとりが、それぞれの思いを胸に、この長崎南山学園に入学を決めたことと思います。不安を抱く人もいれば、期待に胸を弾ませる人もいることでしょう。
今日は、新しいスタートをきる新入生の皆さんに、この学園生活がより楽しく、意義のあるものとなるように、先輩の一人としてアドバイスをしたいと思います。
私は、サッカー部に所属しています。南山の部活動は、皆さんがご存じの輝かしい実績が物語っているように、どの部の練習も、肉体的に、そして精神的にも厳しく、苦しいものです。しかし、私は、部員全員で助け合い、協力しながら、厳しく苦しい練習を乗り越えて来ました。時には、逃げ出したいと思うこともありました。しかし、それに耐えてきた結果、私は今、肉体的にも精神的にも大きく成長することができたと心から思っています。
私の所属するサッカー部では、チーム全体で取り組んでいることが3つあります。
それは「あいさつ」
「てきぱきとした行動」
「プラス思考」です。
まず、「あいさつ」は知っている人にだけでなく、通り過ぎる人や練習や試合を見に来てくれた全ての人に大きな声でしています。「あいさつは」気持ちのよい人間関係を作り上げる基礎となる大切なことです。
次に「てきぱきとした行動」をとることにより、練習の質を高めるだけでなく、限られた練習時間を有効に使うことができるようになります。決められた練習時間の中でいかに集中力を高めて個人の技術を伸ばしていくかが大切なことなのです。
そして最後に、何事にも「プラス思考」の意識を持ってどんなときにも前向きに取り組むことが、チームの雰囲気を明るくし、きつい練習にも意欲的に取り組めることになるのです。
皆さんに伝えたいのは、南山での生活でもこの3つの取り組みを大切にしてほしいということです。この3つのことにチャレンジすることで、間違いなく南山での学校生活は皆さんにとって楽しく、有意義なものとなるはずです。
「あいさつ」は友人や先輩、先生方だけでなく、この学園を訪れた方全員に、そして、「てきぱきとした行動」で時間を有効に使い、メリハリのある毎日をおくることができます。また、勉強や部活で良い結果を出せなくても「プラス思考」で前向きに頑張り続けることで、おのずと結果はついてきます。これを一人ひとりが心がけることで、学園全体の雰囲気がよくなり、一人ひとりの夢の実現につながるのではないかと思います。
今年度の南山学園の努力目標は「服装・挨拶愛される南山、学習・部活誇れる南山」です。
新入生の皆さんもこの努力目標を毎日意識して私たちと一緒にこの学園を盛り上げていってほしいと思います。
最後になりましたが、皆さんの南山での学園生活は、今日からがスタートです。
一人ひとりがそれぞれの目標を明確にして、その目標実現のために全力でがんばってくれることを祈りながら、簡単ですが、歓迎の言葉とさせていただきます。
平成22年4月7日
在校生代表(生徒会長) 山口涼介