4月7日(月)中学校・高等学校の入学式が行われました。

4月7日(月)、本校体育館で中学校・高等学校の入学式が行われ、352名(中1,37名・高1,315名)の新入学生が,それぞれの決意を胸にあらたなスタートをきりました。

〔学校長式辞〕

入学式式辞

        2008年4月7日

 

 新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。中学1年生37人、高校1年生315人を迎えて、南山の平成20年度がスタートします。新しい制服、新しいかばん、新しい先生方、新しい仲間たち…今日のこの新鮮な雰囲気を忘れずにこれからの学校生活を共に頑張っていきましょう。

 私もこの春から校長に就任しましたので、皆さんと同じ1年生です。ごらんの通り、カトリックの司祭です。司祭になってからこれまでの17年間、ずっとこの南山で働いてきましたが、まだまだわからないことがたくさんあります。人間死ぬまで毎日が勉強ではないでしょうか。入学式に先立って行われた始業式で在校生の先輩たちにもお話ししたことですが、校長1年生の今年は特に皆さんとのふれあいを大切にしたいと思います。毎日の授業やクラブ活動、体育祭や文化祭などの様々な学校行事で皆さんと一緒に汗を流しながら、毎日何か新しいことを学んでいきたいと願っています。

 皆さんもご存じのように、南山はカトリックの学校です。カトリック教会の年間の二大イベントを挙げるとしたら、クリスマスと復活祭です。クリスマスは12月24日・25日に行われるイベントで、神の子イエス・キリストが人間を救うために人間の姿になって生まれたことをお祝いします。一方の復活祭は3月の終わりから4月の前半にかけて行われるイベントで、十字架上で亡くなったキリストが3日目に復活したことをお祝いします。

クリスマスのように日付が決まっていないのは、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日を復活祭とする」というルールがあるからです。従って、年によって復活祭が早かったり遅かったりすることになるわけです。

今年は春分の日のすぐ後にやってきた日曜日の3月23日に復活祭がお祝いされました。長崎市内の桜も復活祭を待っていたかのように咲き始め、おそらく次の日曜日の30日は花見にうってつけの日曜日であったはずです。復活祭が早い年は春の訪れも早いと言われていますが、これは春分の日と次の満月までどれだけ日数が離れているかという科学的な条件が関係しているのかもしれません。

 春の訪れに何となく気持ちがうきうきしてくるのは私だけでしょうか。確かに様々な別れと出会いが繰り返される春という時期は、時として気分的に滅入ることもあります。しかしそれだからこそ、滅入った気分が癒されるように、春の優しい暖かさが準備されているのだと思います。コートに身をくるみ、ともすると体を丸めながら歩かなければならなかった冬場の寒さから解放され、桜の花が咲き乱れるポカポカ陽気の中をコートなしで歩けるのは、やはりうれしいものではないでしょうか。

 今日からはこの春の暖かさに加え、南山の新しい先生方と新しい仲間たちが、皆さんの毎日の生活を一層楽しく有意義なものにしてくれるはずです。もちろん、今日の入学式、皆さんの心の中にはいろいろな思いがあることを私は知っています。ひょっとしたら南山は第1希望ではなかったという人もいるかもしれません。しかし、大切なことはこれから自分がどう変わっていくかということです。今の日本の経済状況は不調で、どんなに入試のレベルが高い学校を卒業したとしても、満足のいく就職ができるとは限りません。どの学校を卒業したかということよりも、在籍した学校で何を学んだかが問われてきているのではないでしょうか。

 南山はそのような社会の要請にしっかりと答える学校です。入学のしおりの巻頭言にも書かせていただきましたが、もともとはカトリックの司祭を目指す神学生を育てるために作られた学校です。今でこそ神学生よりも一般の生徒の数が多くなりましたが、神学生を育てるという教育方針は、社会で喜ばれ社会のために役に立つ人間の育成という点で一般生にも大きな影響を与えてきています。中学2,800人余、高校17,000余の卒業生の進路を調べてみると、すでに100人を越える司祭が長崎県内を中心に各地で活躍しています。中にはブラジルで働いている司祭もいます。また、3人は広島と大分とそしてこの長崎で、地域の教会のまとめ役である司教として活躍されています。そしてもちろん一般生も日本各地の様々な分野で活躍していて、創立以来56年間、南山という学校は地域の人に愛され親しまれてきたわけです。どうぞ、皆さんもこのような南山の一員になったことを誇りに思ってください。どうぞ南山を好きになってください。

 この56年間の伝統を更に発展させるか、それとも腐らせてしまうのか…すべては今南山に在籍している私たち一人一人の努力にかかっています。入学式のしおりにも書かれていますが、今年度の努力目標は「大切にしよう、あいさつとおもいやり。大切にしよう、日々の授業と毎日の積み重ね」です。この目標の中に毎日の生活で大切にしなければならないことがすべて盛り込まれていることがお分かりかと思います。一人一人がこの目標をクリアしたとき、南山はもっともっと素晴らしい学校になるはずです。

南山の先生方はみんな熱心な先生方ばかりですから、勉学においてもクラブにおいてもどうぞ安心して先生方の指導についていってください。中学・高校レベルの勉強やスポーツは「ハンパ」ではありませんから、時には厳しいこともあるかもしれません。しかし、それを乗り越えて自分が望んでいた目標に到達できたとき、それは何物にも代えられない喜びになるし、また自分の人生にとってかけがえのない財産になっていくはずです。どうぞ、これからの南山での生活を通して、皆さん一人一人、かけがえのない財産を勝ち取ってください。

最後に保護者の皆様に一言申し上げます。大切なお子さんの進学先として南山を選んでいただき本当にありがとうございます。これから中学生は6年間、高校生は3年間、大切にお預かりいたします。しかしお子さんたちが立派に卒業するためには保護者の皆様のご協力がどうしても必要です。ときには無理なことをお願いしなければならないこともあるかもしれませんが、教職員一同お子さんたちのために最善の努力を払っていく所存でございます。どうぞ南山の更なる発展のために皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。

今日のよろこびの日に当たり、ここにお集まりの皆様方一人一人の上に神様からの恵みと祝福が豊かに注がれるようお祈りして、式辞といたします。

 

         長崎南山学園 学校長 松本勝男

 

〔生徒代表 歓迎の言葉〕

歓迎の言葉

桜が美しく咲き乱れる今日のよき日に,新入生の皆さんがこの長崎南山学園に入学することを私たちは、大変うれしく思っています。

 今日から、皆さんの中学生として、あるいは高校生としての新しい生活が始まります。

 一人ひとりが、それぞれの決意のもとに、この長崎南山学園に入学を決めたことと思います。不安を感じている人もいれば、期待に満ち溢れている人もいるでしょう。

 そこで、今日から新しいスタートをきる皆さんに、私から、この学園での生活をより楽しく,充実感を得られるものにするために、先輩としてアドバイスをしたいと思います。

 私は、南山に入学して,初めて生徒会に入りました。南山の生徒会は様々な学校行事を企画運営し、あらたなものを創り上げたり、ボランティア活動に参加したりする、南山には欠かせない存在です。しかし、普段の活動は地味な作業が多く、また根気のいる努力が必要とされる活動がたくさんあります。私はこの二年間、自分なりに一生懸命、そして積極的に生徒会での活動に取り組んできました。

その理由は、きつい作業など、つらい部分がたくさんある反面、一つの仕事に生徒会役員という仲間と共に取り組み、それらをやり遂げることで、他では味わえない素晴らしいやりがいを感じることができるからです。生徒会に入ってからの私は、以前より精神的に大きく成長して、それが自分の自信になりました。また、生徒会活動を通じて物事の順序や組み立て方というものも学びました。生徒会活動では、様々な企画を運営しますが、全員が協力しなければ期限までに準備が間に合わず、よいものを創り上げることはできません。そのためには、まず、作業の全体の予定や計画を立てること、また、それらを行う意味を一人ひとりが理解していかなければなりません。自分が今、行っている作業の意味が分からなければ、地道な作業に嫌気がさして、投げ出してしまうかもしれません。全員が同じ認識をもって、同じ目標に向かってこそ、有意義な活動になるのです。

 ここで、皆さんに伝えたいことは、南山学園での生活もこれらと同じということです。クラスが、学年が、そして学校全体が一致団結して、毎日の学校生活に、勉強に、部活動に、一生懸命取り組むことが重要ではないか、ということです。自分がこれから何をすべきか、自分の取り組みがどのような結果をうむのか、その取り組みの意味をしっかりと考えていくことが、学園全体の質の向上と、一人ひとりの夢の実現に繋がるのではないかと強く感じています。

 今年度の南山学園の努力目標は「大切にしよう、あいさつと思いやり 大切にしよう日々の授業と毎日の積み重ね」です。皆さんも、この努力目標を常に意識して、将来の夢に向かって全力で悔いの残らない学園生活を送って欲しいと思います。

 最後になりましたが、皆さんは今、「南山」という、あらたな未来へのスタートラインに立ちました。その道のりには、おそらく、辛いことや苦しいことなど、障害物がたくさん待ちかまえていることでしょう。しかし、その道のりは決して自分一人ではありません。共に歩んでいく仲間がいることを忘れないでください。その仲間と共に、一人ひとりがそれぞれのゴールへと全力で走りぬいてくれることを祈りながら簡単ですが歓迎の言葉とさせていただきます。                     

平成20年4月7日 生徒代表 3年4組 浜崎 良康

                         

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