3月1日高校卒業式が行われ、366名が学舎を巣立ちました。

3月1日(土)高校の卒業式が本校体育館で行われ、366名の卒業生が学舎を巣立ちました。

 

時代に挑む高い志を

学校長 永山  誠

本日ここに、井手信也育友会会長様、松永朝春同窓会会長様をはじめ、多数のご来賓のご臨席を賜り、第56回卒業証書授与式を挙行できますことは大きな喜びであり、心から感謝を申し上げます。

保護者の皆様、ご子息の卒業、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。式に臨む我が子に、今日これまでの「子育て」三年間のいろんな思いが、出来事が重なっていることでしょう。依存から自立へ、子どもから大人へ。十六歳から十八歳という多感な時に「自分探し」を続ける我が子を側で見守りながら、その成長を喜んだり誇らしく思ったり、また一方では、理解できない・分かってもらえないことに戸惑ったり悩んだり、いろいろあったことでしょう。二人三脚で来た今日までの日々、改めてご子息の卒業をお喜び申し上げますと共に、南山教育を共に担っていただきました皆様の深いご理解と温かいご支援・ご協力に心から感謝を申し上げます。本当に有り難うございました。

さて、366名の卒業生の皆さん、卒業、おめでとう!

三年間やってきたことの全てが、今、ここにあります。ここまで来られた自分に誇りと自信を持って「卒業証書」をしっかり受け取り、自分への褒美としてください。入学時、高校三年間をこの南山で試してみたいと決意した皆さんに、まだ何も書かれていない真っ白な人生レポートが手渡されました。三年経った今、その1ページ1ページにはどんなことが・思いが書かれていることでしょう。努力した自分、逃げていた自分。辛かったこと、悔しかったこと。嬉しかったこと。楽しかったこと。将来に対する不安や夢。友達との思い出。ぎっしり書いてある日、なぜか途中で終わっている日、何も書いてない日。ページをめくれば、そこには一年365日の自分を、高校三年間頑張ってきた自分を見ることが出来るでしょう。そして、今日、残っている最後の1ページ、どんな言葉で高校生活をしめくくるのでしょうか。卒業、おめでとう!これまでの皆さんの歩みに心から拍手を送ります。

ところで、高校という学びの場を巣立つ皆さんには、今まで以上に社会づくりの責任者であること、時代の創造者であることが求められます。アメリカの第35代大統領となったJ・F・ケネディはその就任演説で、「国が自分たちのために何をしてくれるかではなく、自分たちが国のために何ができるかを考えてほしい。」と国民に呼び掛けました。アメリカという国をつくり歴史をつくるのはどこかの「誰か」ではなく、「あなた」です、国民1人1人が参加してこそ、国は動き国は造られるのだ、と。誰かが何とかするだろう、してくれるだろうという無責任な傍観者ではなく、明日の国づくりに責任と使命感をもった主人公、高い志をもって時代に挑戦し、時代を切り開く者であれ、と呼び掛けたのです。大人になるということは、この責任から逃げない、逃げ出さないということです。

 今、私たちが乗り合わせた日本丸は、国際競争の中で、グローバル化の中で不安定に揺れています。拡大する格差社会、株価の下落にみられる経済の先行き不安、国際比較にみる学力低下、少子高齢社会が抱える子育てや老後の不安、経済発展と環境問題、資源エネルギーの確保、食品偽装など食の安全問題。相手の心情を無視したネット上での誹謗中傷やネット犯罪。社会生活におけるモラルの低下。そして、歯止めがかからない地球温暖化。「いのちの世紀」「和解と共存の世界」と期待された21世紀。しかし、それは、ボタン一つ掛け間違えれば「破滅」という大きな危険性をはらんだまま時を刻んでいます。この世界のど真ん中に皆さんはいます。社会に対して、時代に対して「関係ない」では済まされない立場にいます。皆さんが動けば社会は時代は変わる、という期待感の中にいます。なぜなら、皆さんにはものをつくり変えていく若さがあるからです。どんな障害や問題も乗り越えていこうという挑戦があるからです。そして、全力で事を成し遂げようという行動力があるからです。皆さんはまさに、社会の・時代の大きな財産であり、可能性であり未来そのもの。日本丸の舵取り、21世紀の舵取りを任された者です。南山の教育目標である「人間の尊厳のために」を普遍のキーワードとして、人と人とが、人と自然とが共存共生できる時代の創造者、人の愛とやさしさに満ちた社会の責任者となってください。

 卒業する皆さんに、坂村真民の詩を贈ります。

 

 「若い諸君よ」

(坂村真民)

 グチを言うな

 弱音を吐くな

 勇気と正義を持って

 貫いていけ

 ごまかしは すぐばれる

 タンポポの根のごとく 

 踏みにじられても

 食いちぎられても

 芽を出し 花をつける

 強さをもて

 幸福をまきちらすというのが

 タンポポの花ことばだが

 自分の幸せを求めながら

 人の幸せを考えてゆく

 人間になれ

 それを タンポポから学べ

 若い諸君よ 

 タンポポの根のごとく

 強い力で生き堪え

 タンポポの花のごとく

 人生を美しく

 送ってくれたまえ

 

 自分の思うようにいかないことが多い、それが私たちの人生です。しかし、その時です、いのちの根が強くなるのは、いのちに対して優しくなれるのは。自分を信じ、回りを信じ、神仏を信じ、幸せな日々を送って下さい。

 最後になりましたが、皆さん一人ひとりの上に神様の豊かな祝福と、力強い保護をお祈りして式辞とします。

     平成20年3月1日

 

 

卒業生のことば

 寒気に研ぎ澄まされた空にも、日ごと、光るものが生まれ、晴れた日には、森羅万象を柔らかい光が包み込み、木々の芽はそれを明るく弾いているようです。

 高校生活最後となった今日、私達卒業生366名のためにこのように盛大な式を挙げていただくことに心からお礼申し上げます。

 思い起こせば3年前、春風の吹く暖かい日に私たちは入学式を迎え、新たな環境への不安と期待を抱えながら高校生活が始まりました。

 校舎のどこを見ても天使のような女の子はおらず、そこには男の子の顔しかありません。しかし、そんな南山だからこそ学べるものがたくさんありました。

相手を思いやる気持ちの大切さ、信じぬくことの尊さなど、学び取ることができたことは数え切れません。今では心から本当にこの南山でよかったと言う事が出来ます。

 集団行動の大切さ、難しさを改めて知った青少年の天地、苦しかったけれど多くの知識を得た早朝、そして放課後補習、照りつける太陽の下、南山生らしく最後の最後まで戦い抜いた高総体、普段見ることの出来ない、どこまでも続く真っ白な大地に感動した修学旅行。様々な行事を通して私たちは一歩ずつ、前へ前へと大きく成長することができました。その中でも特に、生徒主体となって6年目である体育祭が私自身にとって大きく心に残っています。生徒会を中心に夏休み前から話し合いと苦労を重ね計画してきました。意見の相違から、議論が白熱するあまり、取っ組み合いになることもありましたが、体育祭当日はきちんと統率のとれた素晴らしいものを創り上げることができました。「Create a Sensation!?旋風を巻き起こせ!?」というスローガンに相応しい旋風を南山生一人ひとりが巻き起こすことができたことは私たちにとって喜びでもあり、誇りでもあります。

 私たちが暮らす現代社会において、物質的な豊かさの裏で、多くのものが欠乏しています。私利私欲を貪り、感情の赴くままに他人の命を簡単に奪い取る。また情報化に伴い、より快適な生活を送れるようになった一方で、ネットを通じた悪質な犯罪や携帯電話を使った陰湿ないじめなど様々な課題を抱えています。このような混沌とした行き先不透明な社会の中で、私たちがこの先生きていくためには、いわゆる「生きる力」が求められているのではないでしょうか。

 今日をもって新しい世界へと旅立つ私たちの前にはこの先幾度となく困難な壁が立ちはだかっていることでしょう。しかし、この南山で培った「生きる力」でどんな壁にも挑んでいきたいと思います。

在校生の皆さん、私たちについてきてくれてありがとう。

皆さんには、この南山学園での生活を大切にしていただきたいと思います。勉強だけでなく学校行事、大切な仲間、部活動などを通じて得ることはたくさんあります。よく悩み、よく迷い、よく考え、自分自身と向き合って、それぞれの目標に向かって努力して下さい。そして、時に苦しいことや辛いこともあると思いますが、臆することなく与えられた今という時を大切にして何事にもチャレンジして下さい。

一年生の皆さんは、後輩から慕われ、尊敬されるそして、先輩である2年生を支えることができる人間に成長して下さい。

2年生の皆さんには、安心して母校を託すことができると私たちは信じています。

皆さんがパイオニアとなり後輩とともに南山の歴史の新しい一ぺージを築いて下さい。

どうか、この南山学園をよろしくお願いします。

校長先生をはじめ、諸先生方には、大変お世話になりました。

ご迷惑をお掛けすることもありましたが、授業や学校行事、クラブ活動等の様々な場面で、厳しくも愛情をもって叱咤激励をいただき、また、いろいろな相談にも同じ目線で耳を傾けていたたぎました。

“人間の尊厳のために”の言葉どおり、生徒一人ひとりの人格を大切にし可能性を十分引き出し、わたしたちを成長させていただきました。

お蔭さまで、こうして卒業の日を迎えることができました。ほんとうにありがとうございました。

そして、暑い日も寒い日も毎日、元気に3年間過ごすことができたのも父や母、そして家族の支えがあったからと思い感謝しています。毎日の愛情こもった弁当、洗濯等の身の回りの世話、また、時には不平不満をぶつけることもありましたが、やさしく見守りそして支えてもらいました。面と向かっては、恥ずかしくて、ありうまく言えませんが、ほんとうにありがとうございました。

 そして、家族よりも長い時間を共に過ごし、良きライバル、良き相談相手になってくれた友達。時には、意思のぶつかり合いもありましたが、その度ごとに、お互いを理解し、高め合っていくことができました。心から友達と言えるみなさんにこの南山で出会えたことをほんとうにうれしく思っています。

さて、いよいよお別れの時となりました。

まだまだ想いは尽きませんが、私たちは、南山で過ごした今日までの日々を誇りに、そしてこの南山で受けた教えを胸に卒業いたします。

“「あなた」と「私」を繋いでくれたこの「南山」とそして、ここにいる全ての方々に精一杯の感謝の気持ちを込めて”

最後になりましたが、思い出多きこの母校である長崎南山学園の今後の更なる発展と皆様方のご活躍を祈念して卒業の言葉といたします。

 

平成20年3月1日 卒業生代表 浦川裕貴

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