「税に関する作文」で中学3年生の渡邉千晃君が福岡国税局長賞を受賞しました。

 中学生の「税に関する作文コンクール」に応募した本校の中学3年生全員の中から、渡邉千晃君の作文が、見事『福岡国税局長賞』に入賞しました。そこで、長崎税務署長清水保様が来校し、表彰伝達式が行われました。中学生全員が一堂に会する中での表彰式に渡邉君も少し緊張気味でした。今後ともしっかり勉強して、税金のことも学び、来年もぜひ応募してくださいと励ましの言葉も頂きました。来年も入賞を目指して、頑張っていきたいものです。

ところで、今回入賞した、渡邉君の作文を次に紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来をつくる税金

長崎南山中学校 三年  渡邉 千晃

 

「税金」それは、私達の生活をさらに向上させる上で必要とされる費用のことで、憲法でも税金を納めることは、国民の義務だと定められている。

僕はそのことを小学校三年生の時に知った。それまでは、お菓子やおもちゃを買うときなどに払わなければならなかった“五円玉”をそれこそ穴があくほどに見つめていた。たとえ五円玉でも、欲しいという欲求が一番強い年代の男の子には、数少ない大切なお小遣いだったからだ。だから、必然とおもちゃ屋へ不満の手紙をたくさん書いたことは、税金のことを知らなかった僕にとって、仕方のないことだったと思う。

そんな僕が小学三年生になった頃、ある事件がきっかけで、先生から税金の話を聞くことになった。その事件とは、生徒の間で○○一番に悪戯電話をかけるという遊びが流行したというものであった。そんな時、そのことを知った先生はみんなを集め、消防署や警察署の人たちがいかに忙しいかを長々と話し、そして、税金の話をし始めた。「消防署や警察署の人たちは、みなさんが支払っている税金で働いているんだよ。」その言葉だけが耳に残った。正直に言うと、それ以外のことはあまり覚えていなかった。小学校低学年の子供には少し難しい話だったと思う。しかし、それを聞いた僕はなぜだか無性に嬉しくなった。その頃の子供は何かに憧れ、何かしらの夢を持っていた。僕にとってそれは、市民の安全を守る警察官だった。だから、今まで惜しんで払っていた五円玉が、警察官が働くための役に立っていると思うと、本当に嬉しかったのだと思う。

今、思い返すと、あの時は税金という言葉の意味は分からなかったとしても、身の周りのことで役に立っているという税金の意味は分かったのだと思う。

あれから六年、中学三年生になった僕は、冒頭で述べた税金の説明に、“税金は、みんなの夢を支えるもの”という説明を付け加えたいと思っている。今の不景気の時代、なかなか夢を持つことができない子供が多いのではないかと思う。だからこそ、子供の頃の僕と同じように、税金を払うのは、お金の無駄だと考える子もいるかもしれない。だけど、そう思っている人は、こう考え方を変えてみたらどうだろうか。「税金は、未来の自分が夢を追いかけるための土台を作っている。」と。

僕は今、夢を持っている。子供の頃とは違うが、今でもあの時の気持ちを忘れずに“五円玉”を払っている。

「税金」それは、私達の生活をさらに向上させる上で必要とされるもの。そして、“みんなの夢を支えるもの。”

先生の話を聞いた後日、おもちゃ屋の店員の悩みの種が一つ減ったことは言うまでもない。

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