4月7日(火)、中学校・高等学校の入学式が行われました。

4月7日(火)、体育館で長崎南山中学校・高等学校の入学式が行われ中学生41名、高校生237名の入学が許可されました。

 

 

平成21年度長崎南山中学高等学校入学式式辞

2009年4月7日

学校長 松本 勝男

 

 今年は例年に比べて春の訪れが早いようで、桜の花びらが舞う中での入学式となりました。

 新入生の皆さん、保護者の皆様、長崎南山中学高等学校へのご入学、おめでとうございます。これからの3年ないし6年間、みんなで力を合わせて、楽しく充実した学校生活を築き上げていきましょう。

新入生の皆さん、改めて自分のまわりを見回してみてください。御覧の通り、クラスメートは男子ばかり、先生方もほとんどが男性。これまでとは違った学校の雰囲気に、期待と不安が入り混じった複雑な心境かもしれませんが、すぐに慣れますから、そんなに心配しなくても大丈夫です。むしろ男子ばかりの集まりの方が、お互いの気心が知れてやりやすいのではないかと思います。

 人間であれば誰でも、子どもでも大人でも、環境が変わって新しい生活が始まる時は、期待と共に、不安や緊張を抱くものです。ここにお集まりの保護者の皆様もきっと、そのような体験を何度も積んで来られているのではないでしょうか。この私にしても、偉そうに壇上に立ってはいますが、新学期が巡ってくる度に、新入生を迎え、保護者の皆様と出会う喜びの中にも、学校を預かる責任者として、「みんなに喜んでいただける学校づくりは自分の采配にかかっている」という責任の重さをひしひしと感じます。

 しかし、人間にはそのような緊張感があるからこそ、却って自分を奮い立たせて頑張る力が与えられるのだということも忘れないようにしたいものです。熱狂的なファンが付いているアイドルたちにしても、何千人もの観衆を前にした舞台に立つ前は、その場から逃げだしたくなるようなたいへんな緊張感に苛まれるという話を聞くことがあります。考えてみると、ここに集う新入生の皆さんとそんなに年の差はないわけですから、無理もない話だと思います。しかし、ファンの熱烈な声援がアイドルたちを奮い立たせ、アイドルたちは緊張感を跳ね返して、感動的なステージを作り出していくことができるわけです。

 スポーツ選手の例を挙げたらもっとわかりやすいかもしれません。先日、ワールド・ベースボール・クラシックで2連覇を達成した侍ジャパンの選手たち、あるいは、春の選抜高校野球で、この長崎県に初の優勝旗をもたらした清峰高校の選手たち、いずれもたいへんなプレッシャーとの闘いの中で勝ち取った勝利でした。彼らにしても、プレッシャーを跳ね返して自分たちの野球を頑張りぬくことによって、優勝を勝ち取ったのではないでしょうか。

 新入生の皆さんがこれから始めようとしている南山での学校生活においても、勉学やスポーツなど様々な場面で、プレッシャーとの闘いを求められることがあろうかと思います。誤解のないようにお断りしておきますが、南山だから特別に厳しいというわけではありません。中学高校時代は、どこで学ぼうとも、一人の大人として立派に成長していくために、厳しく鍛えられるのは当たり前のことです。そうでないと、ここぞという時に頑張る力が湧いてこないからです。

 長崎南山中学高等学校は、今年で創立58年目を迎えますが、これまで中学からの内部進学者も含めて高校を卒業した生徒の数はおよそ18,000人です。みんな南山の卒業生であることに誇りを持って、それぞれの分野で一生懸命に頑張り、社会に大きく貢献をしています。皆さんもご存じのように、最近の日本は、経済不況のためにリストラや倒産という厳しい状況が続いていますが、このような状況にへこたれずに頑張る力を養っていくためにも、中学高校時代に、勉学やスポーツを通して自らの心身を鍛え上げていくことは、とても大切なことではないでしょうか。

 『入学のしおり』の冒頭にも書かせていただきましたが、長崎南山中学高等学校は、もともとカトリックの司祭を育てるために創られた学校です。そのために創立以来カトリックの男子校というスタンスをずっと守り続けています。カトリック信者の多い長崎という土地柄、他にもカトリックの学校は数校ありますが、創立当初からカトリックの司祭を目指す神学生を育てるという理念をはっきりと打ち立てている学校は南山だけです。18,000人近い卒業生のうちのおよそ150人が、司祭としてあるいは司教として日本国内外の教会で活躍していることを忘れないでほしいと思います。

 折角、縁があって入学することになった南山です。どうぞ、カトリック信者の人もそうでない人も、他の学校では決して味わうことのできないカトリックの男子校ならではの貴重な体験を積み重ね、卒業する時には自分が希望する進路を勝ち取ることができるように頑張ってください。一言で言いつくせることではありませんが、神学生がいるということ、カトリックの学校であるということで、南山には独特の雰囲気がありますから、その雰囲気の良さを3年ないし6年の学校生活の中でしっかりと味わってほしいと思います。

 南山は勉学にもクラブ活動にも一生懸命取り組んでいますから、皆さんの頑張ろうという気持ちにしっかりと答えていきます。きっと皆さんがそれぞれに抱いている夢をかなえるお手伝いができます。厳しいこともあるかもしれませんが、それは皆さんがそれぞれの夢をかなえていくための先生方からの叱咤激励なのです。それがわかるからこそ、南山を卒業してからもお世話になった先生方を慕って訪ねてくる卒業生がたくさんいます。どうぞ、新入生の皆さんも南山を好きになってください。南山も皆さんを必要としています。皆さんは南山に望まれて入学したのだということを忘れないでください。

 最後になりましたが、この場を借りまして、保護者の皆様に一言申し上げます。この度は、数ある学校の中から長崎南山中学高等学校をご子息の進学先に選んでいただき、本当にありがとうございました。教職員一同、3年ないし6年間、ご子息を大切にお預かりいたします。先ほども申しましたように、ご子息がそれぞれ希望する進路を勝ち取ってこの学校を卒業していくことができるように、一生懸命頑張らせていただきますので、皆様からのご支援もどうぞよろしくお願い申し上げます。今日のこのよき日、ここにお集まりの皆様一人一人の上に、神様の豊かな祝福が注がれるようにお祈りしながら、学校長の式辞とさせていただきます。

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