11月1日(木)長崎南山学園創立60周年記念式典が行われました。

11月1日(木)、創立60周年を記念し、午前9時から浦上教会で記念ミサが行われました。

引き続き学校に移動し、記念式典が体育館で行われました。

式典にご参加いただきましたご来賓のみなさまに厚く御礼申し上げます。

愛される南山、誇れる南山

長崎南山中学・高等学校校長 松本 勝男

さわやかな実りの秋、多数のご来賓の方々をお迎えして、本日ここに長崎南山学園創立60周年のお祝いができますことを心から感謝いたします。式典に先立って行われた浦上教会のミサでは、この60年間に神様からいただいた恵みに感謝すると共に、亡くなられた学園関係者のためにお祈りしてまいりましたが、きっと亡くなられた方々は、天国から喜びのうちに今日のお祝いを見守っておられることと思います。

秋田の片田舎で育った私は、神言修道会の司祭になったことが縁で、長崎南山学園と巡り合い、司祭叙階以来22年間、学園一筋に生きてまいりました。南山の卒業生ではありませんが、一教職員として長きにわたってこの南山に育ててもらったことをとても嬉しく思っております。それだけに、この度校長という立場で学園創立60周年をお祝いできることは、望外の喜びです。これからも微力ながら、校長として学園にお世話になった恩返しをさせていただき、学園がこれまで以上に地域社会に貢献していくことができるよう、努力を重ねていく所存です。

人の数だけ物語があり歴史があるわけですが、この学園を卒業された方々、かつてこの学園で勤務された方々、そして今この学園に所属する生徒・教職員一人一人にもまた、それぞれにこの学園と出会ったきっかけがあったはずです。ひょっとしたら第一希望の出会いではなかったかもしれません。しかし、この学園での生活を通して、「南山で良かった」という確かな手ごたえを感じてくれたものと信じています。

「伸びる南山、伸ばす南山」―創立60周年を祝う2年前に立ち上げた学園のブランドコンセプトです。これまでの60年間、学園が努力してきたことを端的に言い表したもので、今もなお、私たち教職員は一丸となって、このコンセプトをより一層はっきりと具現化していくことができるように努力を続けております。

第一希望の入学であろうとも第二希望の入学であろうとも、入学してきた生徒一人一人が、大学進学でも就職でも、自分が希望するところに進路を決められるように導き、自信と誇りを持って卒業できるよう、勉学でもスポーツでも何事においても根気強く生徒たちに関わっていくのが、南山の教育の醍醐味です。このような関わりによって、生徒も教職員も共に成長していくということが、「伸びる南山、伸ばす南山」というブランドコンセプトの中に謳いこまれているわけです。

このブランドコンセプトに並行するように、学園の年間努力目標も3年連続で「服装・挨拶 愛される南山、学習・部活 誇れる南山」となっております。この目標とブランドコンセプトが、学園創立60周年という節目を見据えたものであると同時に、学園の存在意義を問いかけるものになっていることは、もうお分かりのことと思います。

長崎南山学園は、これからも「愛される南山、誇れる南山」として成長を続けてまいります。どうぞ今後とも学園のためにご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。本日お集まりの皆様一人一人の上に、神様からの祝福が豊かに注がれるよう心からお祈りし、学校長の挨拶といたします。

 

生徒代表挨拶 山口椋吾(3年1組 前生徒会長)

創立六十周年という節目の年に、私達が今こうしてこの学園で勉学や部活動に励む事ができることに大きな喜びを感じています。また、一方では、この歴史の重みを痛烈に感じています。六十年の長い年月の中で、多くの先生方や先輩方のご尽力がこの学園を支え続けてきことを考えますと、あらためてこの南山に在籍していることを誇りに思うとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。

六十年前の1952年に、浦上の高台のこの地に、美しい白亜の校舎がそびえ立ちました。この白い建物は長崎の繁栄を見届けつつ、学園自体が発展し、多くの学生が巣立っていく姿を今日まで見守り続けてきました。この六十年という長い年月には、私たちを取り巻く社会では、ざまざまなことがあったと思います。私たち在校生の記憶に新しいのは、やはり、昨年の三月十一日に起きた東日本大震災です。東北地方を中心に壊滅的被害をもたらし、地域社会や経済・産業活動に大きな損害をもたらしました。道路や橋といった公共設備や住宅、個人、企業の被害総額は約二十兆円を上回るとされ、その復興は、一年を過ぎた今日においても未だ進んでいません。一方、この大震災に直面しても、お互いに助け合いながら、秩序ある行動をとってきた日本人の国民性が海外から賞賛され、あらためて、人と人との絆、助け合いや支え合いの大切さを認識しました。今回の大震災だけでなく、助け合い、支え合わなければならない場面は日常にもたくさんあります。しかし、今の若者は自己中心的な考えを持った人も多く、自分の「わがまま」を通そうとします。どんな時代においても助け合いや支えあう心のない自己中心的な主張は通用しません。今こそ「人間の尊厳のために」という教育目標を見つめ直し、校訓である「高い人格」、「広い教養」、「強い責任感」をもった人間になれるよう日々の時間を大切にしていかなければなりません。

現在、社会ではあらゆる分野で変革を求められています。この南山も、更なる発展を目指し、自ら生まれ変わろうとしています。「伸びる南山、伸ばす南山」というブランドコンセプトを柱に、更に活気ある自立した学校に発展していこうとしています。学校行事をはじめ、いろいろな視点から自己を見つめ直し、生徒と先生方が一致団結してより良いものを創りあげることができるように努力を続けています。

さて、記念すべき年に、この学園に在籍している私たちは、六十年の歴史の重みを胸に刻み、数々の業績を残して下さった先輩方、日頃ご指導下さる先生方に心から感謝したいと思います。そしてこの栄えある伝統を受け継ぎ、これからの南山の新しい歴史の一歩を着実に踏み出していく覚悟です。これからの南山に期待して下さい。

 

コメントは受け付けていません。