国際交流の歴史

■ 国際交流の歩み

 

1985年 夏  すべてはここから始まりました。

わが長崎南山高校から初めてアメリカへと旅立った年です。記念すべき第1回の参加者は9人でした。不安でいっぱいの研修旅行でしたが,帰国するまでのわずか30日間で実に多くのことを学びました。英語が通じたときの喜び,異文化や習慣の違いを体で感じることが出来,少なからずカルチャーショックを感じたことはいうまでもありませんが,ただそれだけではありませんでした。再度自分の力で渡米することを夢見てがんばり,その夢を実現させた者もいました。参加者一人ひとりが何気なく考えていた日本や長崎に対して,強い愛着を感じるようになり,自分自身のあり方や考え方まで再認識させられる素晴らしい機会となりました。

 

現在,研修先は,アメリカに加え,オーストラリア・韓国の3カ国となり,海外に出かけるばかりか,海外からの仲間たちを受け入れています。互いに違う価値観や考え方に触れ,互いを見つめ,受け入れようとする「相互の文化交流」へと発展してきています。

 

水平線を越えて初めて得た感動と発見は,決して忘れ去られるものではありません。お互いがことばや国境を越えて,かけがえのない大切な「仲間」となり,一緒に歩んでいけるようこれからも「好奇心」「驚き」「理解」「友情」を大切にして歩み続けます。

 

 


 

 ■ 海外研修・交流の歴史

 

■ 第1期(1回?3回 1985?1987)
名古屋南山高校男子部・女子部とのジョイントで行われました。アメリカ・カリフォルニア州リバーサイドにある神言会アメリカ西管区の施設を使って行われました。研修の前半は,神学校に寄宿し英会話の授業を受けたり,ディズニーランドや近くのビーチや山に出かけたりとサマーキャンプ形式で行われました。後半は,ホームステイです。緊張した表情で始まったホームステイも,数日すると各家庭にすっかり溶け込んでいました。この頃の滞在期間は,約1ヶ月。ホストファミリーとのお別れの時には,涙を流す生徒もいました。第1回目の参加者はわずか9名でしたが,3回目の研修では20名の参加者がありました。

 

■ 第2期(4回?8回 1988?1992)
第4回目からは,名古屋南山と切り離して,長崎南山オリジナルのプログラムで実施しました。アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ近郊の町でホームステイを中心に行われました。午前中は,英会話の授業を受け,午後は,ショッピングやメジャーリーグ野球観戦など多彩なプログラムで,アメリカの夏を満喫しました。

 

■ 第3期(9回?12回 1993?1996)
第9回目からは研修場所をワシントン州シアトル郊外にあるエドモンド・コミュニティ・カレッジに移しました。参加者は多いときで,30名を超えたこともありました。午前中は,同カレッジのスタッフによる英会話の授業,午後はフィールドトリップやマリナーズの大リーグ観戦などもありました。マリナーズの本拠地キングドーム球場(現在はセーフコフィールド)では,大リーグの生の迫力と応援する観客の盛り上がりも充分堪能しました。

 

■第4期(13回 1997)
第13回目からは,研修場所をアメリカからオーストラリアへと移しました。ニューサウスウェールズ州バサースト(シドニーから車で約3時間)にあるセント・スタニスラウス・カレッジ(通称スタニーズ)との交流がスタートしました。本校と同じカトリック系の男子校(6年制)です。南山生は,スタニーズ生とともに学校に通い,授業を受け,帰宅します。近郊には,ジェノラン鍾乳洞・広大なファーム・動物園など訪れる場所がたくさんあります。

 

■第5期(14回? 1998? )
一方通行だった「海外研修」から本格的な「国際交流」へと発展していったこの頃からです。
1998年9月には,スタニーズ生が本校にやって来て,本校生の家庭にホームステイしました。同じ年頃の外国の生徒が本校生と休み時間にじゃれ合ったり,一緒に登下校したり休日にはショッピングやボーリングに行ったりしている姿を見ると,実にほほえましく感じました。

 

1999年4月には,アメリカ・バーモント州にあるセント・ジョーンズベリー・アカデミーからの男女高校生が本校にホームステイするようになりました。海外からの一行を必ず連れて行く場所のひとつに「原爆資料館」があります。陽気で明るいアメリカの高校生たちも,原爆の脅威に触れ,見学後はとても沈んだり,時には涙を流したりしたことさえありました。帰国後は「平和の使者」として活躍してくれていることでしょう。

 

2001年8月には, 韓国釜山市にある智山高校生が,本校を訪問し交流がスタートしました。智山高校は,本校と同じカトリック系の男子校です。折りしも一連の「教科書問題」や「首相の靖国神社参拝問題」などで交流を取りやめた学校もありましたが,「こんな時期だからこそお互い訪問することに意義がある」ということで予定通り実施しました。韓流ブームや日韓共催のワールドカップなども手伝って,これまで遠い国だった韓国を身近に感じるようになりました。

 

2002年4月,セント・スタニスラウス・カレッジと本校は,正式に姉妹校の提携を結び,友好関係を誓い合いました。

 

2002年12月,智山高校と本校は,智山高校にて正式に姉妹校の提携を結び,今日に至っています。

 

2004年3月,スタニーズは,福岡で行われたサニックス杯ラグビーユーストーナメントに,オーストラリア代表として出場することとなり来日しました。試合の前に長崎を訪れ,オール長崎,南山との親善試合を行いました。ラグビーを通してまた新たな友情が生まれました。

コメントは受け付けていません。

ご覧になった皆様のご意見やご感想をお寄せください。 kokusaikouryuu@n-nanzan.ed.jp