3月12日(土)、5階講堂で中学校の卒業式が行われました。

3月12日(土)、5階講堂で南山中学校の卒業式が行われました。

 

 ※卒業式のはじめに、11日に東北地方で発生した巨大地震による被災者のご冥福を祈り、参加者全員による黙祷を行いました。

 

 平成22年度第59回長崎南山中学校卒業証書授与式 式辞

 

 柔らかな日差しに春の到来を思わせる弥生3月。今年もまた見晴らしの良い5階講堂で第59回卒業証書授与式を挙行できますことを心から感謝致します。

 36名の卒業生の皆さん、保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。思えば、卒業生の皆さんは、私が校長に就任して初めて中学校への入学許可を出した学年です。3年前に下の体育館で高校生と一緒に入学式をした頃は、まだ小学生のあどけなさが残っていた皆さんも、この3年の間に見違えるように成長しました。保護者の皆様もきっと、感無量の思いで、今日のご子息の晴れ姿を見守っておられるのではないでしょうか。

 特にこの1年間の私は、宗教の授業をはじめ、様々な学校行事を通して、卒業生の皆さんと接することが多かったと思います。折に触れて、皆さんが頼もしく成長していく手ごたえを感じることができて、とても幸せな1年でした。

 宗教の授業では、定期考査の度に作文を書いてもらいましたが、回を重ねるごとに皆さんは、自らの心の成長を裏づけるような内容の濃い作文を書くようになり、とても嬉しくなったことを思い出します。聖書の物語が単なる昔話ではないことを皆さんはもう知っています。今の時代を生きる自分自身の問題を踏まえて聖書のメッセージについて考えるトレーニングを続けていくなら、これからの皆さんの人生は、ますます豊かなものになっていくはずです。どうぞ高校に進んでからも宗教の授業を大切にしてください。

 中学と高校合同で学園を挙げて行なわれる体育祭では、学園史上初めて、中学ブロックから入場行進を始めるという大きな梃入れがなされました。最高学年として後輩たちをしっかりと引っ張っていく使命を担っていた皆さんにとって、伝統ある南山の体育祭で先陣を切って入場行進をするということは、きっとプレッシャーであると共に、大きな喜びと誇りになったはずです。入場行進やブロックパフォーマンス、よさこい踊りなど、中学にもしっかりとスポットが当てられるようにプログラムが工夫されていたおかげで、皆さんが取り仕切った体育祭は、これまで以上に素晴らしいものとなりました。中学ブロックに特別賞が贈られたことが何よりの証拠です。

ここ数年の体育祭において、中学ブロックには毎年のように特別賞が贈られてきています。たとえ数は高校生の7分の1でも、中学生の頑張りは、間違いなく高校生の先輩たちを奮い立たせるものとなっています。そしてそれだけにとどまらず、中学から高校に進学した先輩たちは、中学での体験を踏まえて、体育祭を更により良いものにしようと頑張ってきたはずだし、体育祭に限らず、勉学でもスポーツでも何事においても、南山の核となって努力を積み重ねていったはずです。今日卒業式を迎えている皆さんも、高校に進学したら是非とも南山の核となって、先輩たちに負けないくらいの活躍をしてください。一緒に南山という学校を守り立てていきましょう。

中学校に生徒会が発足したこともまた、学園史上初めての出来事でした。卒業生の皆さんは、これから本格的に生徒会を運営していくための大切な土台を築いてくれました。手探りの状態で生徒会の立ち上げのために頑張ってくれたことに心から感謝します。これを引き継いでいくのは、今日の式に同席している1年生と2年生です。生徒会活動が活発になれば、中学校もまたこれまで以上に活気があふれてくるはずです。先輩たちの苦労に報いることができるように、一緒に頑張っていきましょう。

そして、もう1つ忘れられないことは、サッカー部の全国大会3位という快挙です。今年度は市の中総体も県の高総体も優勝旗がなくてさびしい思いをしていたところ、サッカー部は県大会で優勝。九州大会でも接戦を制して全国大会の切符を獲得。そして全国大会では、準決勝で静岡県の代表と接戦の末敗れたものの、さわやかなプレーで堂々の3位。負かされた相手に「頑張って優勝してください」とエールを送ったさわやかさは大きな感動を呼び、後日、先方の校長先生から「長崎南山中学のサッカー部は素晴らしいチームですね」というお褒めの言葉をいただきました。サッカー部だけではなく、中学の関係者にとって忘れることのできない素晴らしい思い出ができました。

36名の卒業生の皆さん、皆さんの輝かしい活躍は、後輩たちにとって大きな励みになったはずです。どうぞ、高校に進学してからも、後輩たちが誇れる先輩でいてください。これからまた3年間、同じ建物の中での高校生活が続くわけですが、決して中だるみに陥ることなく、絶えず自分自身の夢がどこにあるかを確かめ、夢の実現に向けて頑張ってほしいと思います。

自分自身の人生を前向きに生きる上で、夢を持つことはとても大切です。勉学でもスポーツでも、叶えたい夢があるからこそ、困難を乗り越えて頑張り続けることができるのではないでしょうか。ご承知の通り、高校からは義務教育ではありません。いやいやながら勉学やスポーツに取り組む人にとっては、高校という所は何の面白みもない所かもしれません。しかし、夢を持って前向きに生きる人に対して、高校という所は無限の可能性を開いてくれることを忘れないでください。

最後になりましたが、これまでの3年間、大切なご子息を長崎南山中学校に預けていただいた保護者の皆様に心から感謝致します。皆様におかれましては、今日のご子息の晴れ姿に、これまでの15年間のご苦労が報われた喜びをかみしめておられることと思います。私ども教職員も、この3年間ご子息と共に中学校生活を過ごしてきたことに、大きな喜びと誇りを感じております。

しかし、ご子息の人生はこれからが本番です。ご子息が、今日の喜びを忘れることなく、これからも夢と希望を持って人生を歩み続けることができるよう、変わらぬご支援をよろしくお願い致します。私ども教職員も「伸びる南山、伸ばす南山」を合言葉に、ご子息の夢が実現するよう、高校でもしっかりとお手伝いをさせていただくことをお約束致します。

今日の晴れの卒業式にあたり、ここにお集まりの皆様一人一人の上に神様からの祝福が豊かにありますように。皆様のご多幸を心からお祈りし、学校長の式辞と致します。

 

平成23年3月12日

                      長崎南山中学校

学校長  松本 勝男

 

 

感謝の言葉 

 

例年にない寒い冬が過ぎ、ここ南山中学校にもようやく暖かい風が流れ、春の息吹を感じられる季節がやってきた今日、私達三年生、三十六名は卒業の日を迎えました。

本日は、松本校長先生をはじめ、先生方、また、たくさんの保護者の皆様にご臨席を賜り、このような卒業式を挙行していただき、本当にありがとうございます。

思い起こせば3年前、桜が咲きほこるころ、まだ着慣れない制服に身を包み、私たちはこの長崎南山中学校に入学しました。これから始まる新しい生活への期待と不安でいっぱいだったのを今でも覚えています。小学生気分が残っていた私達は、中学校の勉強の難しさ、宿題の多さに戸惑いました。部活動では先輩方の体格、迫力、練習量に圧倒されました。

 一年生の農業体験では、田植えから稲刈りまでの体験を通して農家の方々の苦労や、食べ物の大切さを学ぶことになりました。毎日何気なくいただいている命に感謝し、そしてそれを育て収穫されている農家のみなさんに感謝の心を持っていただくことの大切さを初めて実感しました。朝から晩までひたすら勉強と向き合った夏休みの学習道場では、苦しい中にも学びの楽しさを多少なりとも感じることができました。そして、十二月の3Tウォーク。初めて二十数キロもの道のりを自分の足で歩き、くたくたでした。しかし、そんな中でも、友人との絆が生まれたり、普段気づかなかった長崎の風景に心をいやされ、新鮮な気持ちが芽生えたのを覚えています。

二年生になると、後輩ができいろんな面で手本になれるよう心がけました。このとき初めて自分の中に責任感という意識が生まれた気がします。

六月に行われた漁業体験では、早朝四時過ぎから定置網漁に挑戦しました。漁船に揺られながら漁場に到着し、定置網を引き上げたときの感動は今でもわすれません。大小様々な種類の魚が網にかかり、眠気を一掃するほどの歓びを与えてくれました。自分たちが捕った魚の味は生涯忘れられないほど美味しく、この体験においても、漁師の方々の苦労や生き物の命をいただいているという実感をあらたにすることになりました。

そして、十二月、私たちは修学旅行で沖縄の地を訪れることになります。ひめゆりの塔では、太平洋戦争末期に沖縄に上陸したアメリカ軍との戦いの恐ろしさを初めて知りました。また、対馬丸記念館では実際に沖縄戦の戦火にあった方から話を伺い、沖縄の苦しみを肌で感じると共に、被爆地長崎に住む私たちもあらためて平和の尊さを確認することとなりました。民泊では、沖縄料理を堪能したり、世界遺産の見学をさせていただいた他、各家庭で三線の体験をさせてもらったりと沖縄の文化を肌で感じる最高の経験となりました。そしてなにより印象に残ったのは沖縄の人たちの心の温かさです。他人を思いやり優しく接することを大切にしたいと心から思える経験となり、最高の修学旅行となったと思います。

そして、私たちは義務教育最後の学年を迎えます。三年生では、南山中学校にも生徒会が初めて発足するという機会に巡り会う貴重な経験が待っていました。私は高校生と共に初代の生徒会役員として、いろんな行事に関わり、様々なことを学びました。そして、私は初代の生徒会長として生徒会に携われたことを大変誇りに思っています。三年生では、生徒会活動、受験勉強、部活動と、本当に忙しくなりました。そして、泣いても笑っても最後の中総体。すべてのクラブが最後まで一生懸命頑張りました。満足のいったクラブそうではなかったクラブがありますが、サッカー部が全国第三位、柔道部が個人で九州大会出場、全国大会出場という大変素晴らしい結果を残すことができました。そして、九月には中学全体が一つになり挑んだ体育祭が行われました。夏に一生懸命練習した「集団行動」。松永先生を招いて何度も繰り返し練習した「よさこい」。どちらとも素晴らしい演技を体育祭本番で披露することができました。そして、これらの経験は、確実に私たちの中に自信と勇気を与えてくれました。

このように南山中学校での思い出や学んだことは、数えきれないくらいいっぱいあります。楽しかったこと、辛かったこと、悔しかったこと、苦しかったこと。今となってはすべて私たち一人ひとりをたくましく成長させてくれた素晴らしい経験となっています。

今日、義務教育を終了する私たちは、四月から高校という新たなステージで再び自分を磨いていきます。混沌とした国際社会、不安定な政治情勢、長引く経済困難。私たちの目の前に広がっている社会は、想像以上に厳しい世界かもしれません。このような時代だからこそ、私たちは時代をたくましく生き抜くための基礎を培っていく必要があると思います。高校では学業でも部活動でも更に高いレベルが要求されます。一つひとつに謙虚な気持ちで、全力で向き合っていく決意です。

在校生の皆さん。いろいろな場面で私達三年生を支えてくれてありがとうございました。四月からは生徒会の活動なども本格的に始まります。一人ひとりが南山中学校を引っ張っていくという自覚を持ち頑張ってください。君たちならこれからの南山中学校を託していけると私たちは信じています。

最後になりますが、校長先生を始め、諸先生方。様々な場面で私達をご支援して下さり本当にありがとうございました。こうして数々の思い出と共に卒業できるのも先生方のおかげです。この気持ちを忘れず高校でも全力で頑張っていきますので、これからの私達を引き続き見守り続けて下さい。

そして、最後に、私達が生まれて十五年間、どんなときも私たちを見守り続けてくれた家族に心から感謝を伝えたいと思います。たくさん迷惑をかけたと思います。しかし、父や母はいつも私達に道を示してくれました。家族の支えなくして私達はここまで成長することはできませんでした。本当にありがとうございます。そして、私達に関わっていただいたすべての方々へ。心をこめて

 

「ありがとうございました」

 

 

  平成二十三年 三月十二日

   卒業生代表  宮崎 俊哉

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